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3つの特徴
特徴 1
1つ目の特徴は「感受性が強い」ということです。
感受性が強い子は、普通の人よりも人の反応が気になってしまいます。
もちろん「空気が読める」などの良いこともあるのですが、その反面「こんなことしたら空気が悪くなるかな?」「これを言ったら悲しむかな?」と、気を使いすぎて自分の本当の気持ちをうまく表現できません。
学校などの、たくさんの人と関わる場では、感受性の強い子は“自分の本音”を表に出すことができないため、つい周りに合わせてしまいます。
特徴 2
2つ目の特徴は「プライドが高い」ということです。
感受性の強さに加えてプライドの高さも併せ持っている子は“周りに合わせてしまう自分自身”をいつの間にか責めるようになります。
「何であのとき思ったことを言えなかったんだろう」と思っていても、プライドが邪魔して撤回することができず、後悔してしまうのです。
“感受性も強くプライドも高い子ども”だと、『つい周りに合わせてしまう→そのことを後悔する』というループをずっと続けてしまうため、学校生活で大きなストレスを抱えるのです。
特徴 3
3つ目の特徴は「気が弱い」ということです。
感受性やプライドが高くストレスを溜めてしまう性格の子どもには、学校以外で本音を話せる場所が必要です。
本当は「家庭」がその役割を担うところなのですが、「気の弱い子」は家族にも気を使ってしまい、本音をうまく打ち明けることができません。
その結果、ストレスをどこにも発散することができず、不登校・ひきこもり・非行になってしまいます。
①感受性が強い
②プライドが高い
③気が弱い
これらの3つのパターンすべてに当てはまる子供もが、特に不登校・ひきこもり・非行になりやすいのです。
改善ロジック
ロジック 1
感受性が強くプライドの高いお子さんは、学校で『つい周りに合わせてしまう→そのことを後悔する」ということを繰り返し、ストレスを溜めて家に帰ってきます。
本人は自然と周りに合わせているので気づいていないかも知れませんが、心は疲れ、ストレスがずっと溜まっているんです。
そして、そんなお子さんが不登校・ひきこもりになってしまった最大の原因は「家でのストレスのおろし方が分からない」ということです。
実は、不登校・引きこもりになってしまった子供達に共通しているのは「家でも心からくつろぐことが出来ていない」ということなんです。
感受性が強くプライドの高いお子さんは、あなたが思っているよりも10倍繊細です。普通の人よりも10倍気を使ってしまうので、普通に考えれば小さなことだとしても、お子さんにとっては家でも気を使ってしまう要因になるのです。
具体的な要因はたくさんあるのですが、あなたもこんな思い当たる節はありませんか?
夫婦喧嘩がある
両親が共働きで疲れている
しつけや勉強・習い事に厳しい
両親の帰りが遅く1人の時間が多い
仕事での考え方を家庭に持ち込んでいる
子供のやることについ口を出してしまう
いかがでしょうか?
「どの家庭でもよくあることじゃない?」
と思ったのなら、まさにそれこそがお子さんの性格をわかってあげられていないということです。
もう1度言いますが、あなたのお子さんは「あなたが思うよりも10倍繊細」なんです。
その意味が分からないうちは、現状を打破することが難しいので、まずはお子さんの性格について正しく理解してあげてください。
これらのほんの小さなとが原因で、感受性の強いあなたのお子さんは家庭でも気を使ってしまい本音を話すことができないのです。
だから “家で本当にくつろぐ”ということが出来ない。
学校でも家庭でも心が休まらいという負のスパイラルが続くと、ある日突然、不登校・ひきこもりになってしまいます。
ロジック 2
「じゃあ、どうすれば子供の問題行動を改善することができるの?」と思われるかもしれません。
結論から言うと、問題行動を解決するためには子供に対して「徹底的に過保護になる」ことが必要です。
なぜ過保護にすることで問題行動を解決できるのかというと、問題行動を取る子供は、
「幼児期にもっと親に甘えたかった」
「親に愛されたかった」
という子供だからです。
幼児期にもっと親に甘えたかったのに、それができないまま思春期になってしまい、不登校・引きこもり・非行などの問題行動で親の愛情を確かめようとしているのです。
体つきや話す言葉は一見大人のように見えても、彼らの心の成長は幼児で止まったまま。
本当に心の中で求めている事は幼児そのものと言っても過言ではありません。
そのため、子供の問題行動を治すためには「彼らが望む事を、望むようにしてあげる」こと、つまり「過保護」にすることが必要なのです。
ロジック 3
私と他のカウンセラーとの1番の違いは『過保護』を推奨していることです。
あえて『過保護』という言葉を使いましたが、『過保護』と聞いてあなたはどんなイメージを持ちましたか?
・甘やかされた子ども
・親バカ
・世間知らず
おそらくこんなイメージを持ったかと思います。
しかし、私の言っている『過保護は、世間一般的な『過保護』とはまったく違います。
たとえば、小学校6年生のお子さんが「どうしてもやりたい」と言うので、ピアノを習い始めたとします。
そして、数ヶ月が過ぎたころ、飽きてしまい「もう行きたくない」と、なってしまいました。そんなとき、あなたはお子さんにむかって、このように言いたくなりませんか?
「1度やり始めたんだから、頑張って続けなさい」
多くの親御さんは、お子さんに忍耐力や継続力を身につけて欲しいと思うあまりに“よかれと思って”こういった態度をとってしまいがちです。
しかし、私なら次のように声をかけます。
「いいよ。じゃあ次を探そうか」
一見すると甘やかしているようにも見えるかもしれませんが、そうではありません。
ロジック 4
「過保護にするより、しつけが大事なのでは?」とも思われるかもしれません。
私も、お子さんに忍耐力や継続力をつけさせること自体は否定しません。
むしろ,社会に出た後に、非常に大切なことだといえます。
しかし、子育てには「順序」というものがあります。
私が親御さんによくするたとえ話なのですが、まずは“心のコップ”を愛情で満たしてあげる必要があります。
社会性を身につけさせるのは、心のコップが愛情で満たされたその後です。
心のコップが愛情で満たされないうちは、いくらしつけのために”よかれと思って”小言を言っても子どもには響きません。逆に心のコップが愛情で満たされた子どもは、こちらから干渉しなくても、自分で気づいて治すことができます。
この心のコップが厄介なのは、
・人それぞれ大きさが違う
・それは目には見えない
ということです。
心のコップが小さい子どもであれば少しの愛情でも満たされますが、心のコップが大きい子どもはたくさんの愛情が必要です。
それなのに「まわりの子どもはこうだから〜」とよその子どもと比べたり「もうお兄ちゃんなんだから」と強要していませんか?
私はこれまでに多くの親御さんとお会いしてきましたが、みなさん社会性を身につけさせようとするのが早すぎるのです。
「立派な子に育ってほしい」という気持ちはよくわかりますが、まずは心のコップを愛情で満たしてあげましょう。
そのためのタイミングを見極めるのが非常に大切です。
先ほどのピアノの例にしても、お子さんはまだ子どもなので、色々なものに興味が出るのはあたりまえです。
そうやって様々なことに興味を持つ過程で、自分に合うものに巡り合います。
それなのに無理に続けさせるのは、一見すると子どものためを思っているようですが、実は親の押し付けでしかないのです。
これでは『過保護』ではなくて『過干渉』です。
実は、世間一般的な『過保護』に対するイメージのほとんどは、この『過干渉』です。
子どもについあれこれと口出しをして、良かれと思って押し付ける。
大人だって気まぐれで始めて途中で止めてしまうことなんて、いくらでもありますよね?
世間体を気にするのではなく、愛情からくる言葉は必ず伝わります。
正しい愛情で心のコップを満たして、子どもに心から「お母さんは、どんなときでも味方でいてくれる」と思ってもらうことが、私の言う『過保護』ということです。
そして、きちんと『過保護』に育てられた子どもは、必ず不登校・ひきこもりを自ら解決することができます。
それは何かつらいことがあったり、勇気を出して学校に向かうときに、心の中に“何があっても味方でいてくれる人”の支えがあるからです。
そのため、すでに不登校・引きこもりになっているお子さんを救うには両親や周りの大人が『過保護』に接することで心のコップを愛情で満たすことが重要なのです。
ロジック 5
過保護のお話をすると、よく「子どもの欲求にすべて答えていたら、わがままな子になってしまうのでは?」という質問を頂きますが、結論から言うと全くなりません。
子どもの欲求には『愛情面の欲求』と『物質的な欲求』の2種類があり、『愛情面の欲求』を満たしてあげるだけで良いからです。
例えば、お子さんの要求としてよくあるのが「おもちゃが欲しい」というものですが、これは「物質的な欲求」からくるものです。
これと対照的なものが「一緒にいたい」「もっと甘えたい」「遊びたい」などの「愛情面の欲求」です。
ここで考えてみてください。
「おもちゃが欲しい」と言っている子どもが本当に求めているものは何でしょうか?
それは、『おもちゃ』ではなく『みんなと楽しく遊ぶ時間』です。
物質的な要求が満たされなくても、根幹にある子どもの欲求を正しく理解し、適切に愛情を注いであげれば、子どもの欲求は満たされるのです。
子どもが本当に求めているもので満たしてあげれば、わがままな子どもにはなりません。
また「子どもが悪い事をしたときはどうすればいいのか?」という質問もいただきますが、その場合はきちんと注意してあげてください。
「悪いことは、悪い」と教えるのも大切なことです。
ただし、怒ったり注意したりするのは、本当に悪いことをした時だけにしてください。
先述した、ピアノをやめたいと言ったときに注意してしまうことや、食器を片付けないなどの小さなことで怒ってしまうのは『過干渉』になります。
必要な場面での干渉は必要ですが、度が過ぎるのは良くありません。
不登校・ひきこもりの子どもたちからよく聞くのが「普段は話を聞いてくれないくせに、こんなときだけ注意しやがって」という言葉です。
普段から過干渉気味で注意が多いと、本当に注意すべきときに大切なことが伝わりません。
ここまでをまとめると、お子さんの不登校・ひきこもりの悩みから脱却するために必要なのは
過干渉に気をつけ、うるさく言わない
子どもの愛情面の欲求を理解する
過保護にする
心のコップを愛情で満たしてあげる
何があっても味方でいてあげる
ということです。
心のコップが愛情で満たされ、何があっても味方でいてくれる親や信頼できる大人ががいれば不登校・ひきこもりというドン底から必ず立ち直れます。
私の場合は、その信頼できる大人が冒頭でお伝えした「社長」であり、あの人の存在が心の支えとなり社会復帰することができました。
問題行動を起こす子供にとって「心からくつろげる場所」「心から信頼できる大人」の存在が救いとなります。
そんな場所を作り、一人でも多くの子供達を救うために.私は全寮制のフリースクールである「伊藤塾」を開設し、私の解決ノウハウを実践してもらっているのです。